与信管理に役立つ財務指標10選
- kshirako5
- 2024年11月5日
- 読了時間: 3分
企業の信用管理において、取引先の財務状態を適切に評価することは重要です。特に、財務指標を活用することで、取引リスクを数値的に分析し、より適切な判断が可能になります。本記事では、与信管理に役立つ財務指標を10種類紹介し、それぞれの活用方法について解説します。

1. 流動比率(Current Ratio)
流動資産 ÷ 流動負債 × 100(%)
企業の短期的な支払い能力を評価する指標であり、100%以上であれば一般的に健全とされます。流動比率が低い場合は、短期債務の支払いが困難になるリスクがあるため、注意が必要です。
2. 当座比率(Quick Ratio)
(流動資産 - 棚卸資産) ÷ 流動負債 × 100(%)
流動比率よりも厳密に企業の支払い能力を評価できる指標で、棚卸資産を除外することで、より即時性のある資産に基づく分析が可能です。
3. 自己資本比率(Equity Ratio)
自己資本 ÷ 総資産 × 100(%)
企業の財務健全性を測る指標であり、一般的に40%以上が好ましいとされます。自己資本比率が低い企業は、負債依存度が高く、財務リスクが高い傾向にあります。
4. 売上債権回転期間(Accounts Receivable Turnover)
売上債権 ÷ 1日あたりの売上高
売掛金の回収に要する期間を示す指標で、短いほど資金繰りがスムーズであることを示します。回収が遅れると、キャッシュフローの問題が発生し、信用リスクが高まる可能性があります。
5. 負債比率(Debt Ratio)
総負債 ÷ 総資産 × 100(%)
企業の負債依存度を測る指標であり、高すぎると財務リスクが増大します。特に、長期負債の比率が高い場合、返済負担が大きくなるため注意が必要です。
6. インタレスト・カバレッジ・レシオ(Interest Coverage Ratio)
営業利益 ÷ 支払利息
企業が利息を支払う能力を測る指標であり、数値が高いほど財務健全性が高いと判断されます。この数値が低い場合、企業の債務負担が重くなり、信用リスクが高まる可能性があります。
7. 営業キャッシュフロー(Operating Cash Flow)
営業活動によるキャッシュフロー
企業が本業でどれだけの資金を生み出しているかを評価する指標であり、安定したキャッシュフローを維持できる企業は信用リスクが低いと考えられます。
8. 純利益率(Net Profit Margin)
純利益 ÷ 売上高 × 100(%)
企業の収益性を測る指標であり、業界平均よりも低い場合は、コスト構造に問題がある可能性があります。利益率が低い企業は、財務状況が悪化するリスクがあるため注意が必要です。
9. フリーキャッシュフロー(Free Cash Flow)
営業キャッシュフロー - 設備投資額
企業が投資後に自由に使える資金を示す指標で、フリーキャッシュフローが安定している企業は、信用リスクが低く、事業拡大の余地が大きいと判断されます。
10. 株主資本利益率(Return on Equity, ROE)
純利益 ÷ 自己資本 × 100(%)
株主の資本を有効活用しているかを測る指標であり、高いROEを維持している企業は収益性が高く、信用リスクが低い傾向にあります。
まとめ
企業の信用管理には、財務指標を活用することが欠かせません。今回紹介した10種類の指標を活用し、取引先の財務状況を分析することで、リスクの低い取引を実現することができます。定期的なチェックとデータの活用を通じて、健全な取引を維持しましょう。
より詳しい分析や具体的な活用方法について興味がある場合は、お気軽にご相談ください!
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