ESGリスクと企業調査:今注目される新たな与信項目
- kshirako5
- 4月10日
- 読了時間: 2分
企業の信用調査といえば、これまでは財務状況や支払い履歴が中心でした。しかし近年では、ESG(環境・社会・ガバナンス)リスクが新たな与信判断の重要項目として注目されています。企業のサステナビリティや社会的責任への取り組みが、将来的な事業継続性や信用力に直結する時代が到来しています。本記事では、ESGリスクが与信管理でなぜ重要になっているのか、その調査方法と活用のポイントを解説します。

1. なぜESGが与信判断に関係するのか?
ESGリスクは企業の中長期的な健全性に影響します。たとえば:
環境(E):環境規制違反や気候変動対策の遅れが罰金やレピュテーション低下を招く。
社会(S):人権侵害や労働問題は、サプライチェーン全体のリスク要因。
ガバナンス(G):不正会計や内部統制の欠如は、財務リスクに直結。
取引先のESG対応が不十分だと、自社のブランド毀損や取引停止リスクにも波及する可能性があるため、ESGは「見えない信用力」とも言えます。
2. ESGリスクをどう把握する?
・ESG評価付き信用調査サービスの活用
CRIF SynesgyなどのESG評価ツールを活用すれば、企業の自己回答と国際基準に基づいたリスク評価を取得可能。
中小企業にも対応した簡易レポートが増えており、定量・定性の両面での把握が可能です。
・取引先アンケート・サプライヤーコード導入
取引条件としてESGアンケート回答を求めることで、企業側のリスク開示を促進。
サプライチェーン全体の透明性向上にもつながります。
・ESG関連ニュースや規制の追跡
規制動向(例:EUのCSRDや炭素税)を追うことで、今後の影響度を見積もることが可能。
3. ESGを与信に組み込むためのポイント
与信フローにESGスクリーニングを追加新規取引審査時や年次見直し時にESG評価項目を加える。
ESGスコアに基づく与信限度調整ESGリスクが高い場合、与信枠や支払い条件を調整してリスクコントロール。
社内の意識向上と教育ESGを単なる流行ではなく、リスク指標として定着させるための社内研修や方針策定がカギ。
まとめ
財務指標だけでは測れない企業リスクに対処するため、ESGの視点を取り入れた信用調査が今、求められています。取引先のESGリスクを可視化し、将来の取引停止や評判リスクを未然に防ぐことは、サステナブルな経営の第一歩です。今後の与信判断において、ESGは欠かせない新しい指標になるでしょう。
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